ゲスト自己紹介(金野) アーティストの良さを「拡張」するPR会社

永田:じゃあ最初に、金野和磨さん。

金野:よろしくお願いいたします。

一同:(拍手)。

永田:ちゃんと会って話をするようになったのは「YEBISU MUSIC WEEKEND」でしたっけ?

金野:そうですね。

永田:ミュージック・クリエイターズ・エージェントがほかのいくつかの団体と実行委員会をつくりまして、2014年秋に恵比寿ガーデンプレイスで3日間、カンファレンスとコンサートがいっしょになったような大規模な催しをやったんですね。そのときたくさんのボランティアスタッフを募りました。当日だけ受付や場内整理をして下さる方、準備段階から事務局をお手伝いいただく方など、それぞれができる範囲で力を貸していただいた。その中で金野さんは本番の何週間前かから関わって、主にプロモーションを担って下さいました。そのときは昼間にお仕事をされながら、かなりいろいろなことを考えていらっしゃった。そこから1年半くらい経ちますけど――気がついたら去年の秋に、なんと会社ができていて。PRエージェントを仕事として始めていらっしゃった。その辺のお話をうかがいたいと思います。

金野:金野です。よろしくお願いします。あんまり長くなってもあれなので、ざっくり自己紹介させていただきます。雑で申し訳ないですが、これブログです。

(GMA代表 金野和磨 プロフィール)

えーと、宮城の気仙沼出身でして――。

永田:87年生まれですね。今はおいくつ?

金野:28です。1社目は音楽業界とはぜんぜん関係のないところで営業をやりまして、2社目ではアーティスト支援サービスの会社で、営業と企画をやりつつ、編集もちょっとやっていました。そのあとデジタルのマーケティングの会社で編集者として働きつつ、2年くらい前からミュージシャンのエージェントを始めて、いろいろ試行錯誤していました。そのとき「YEBISU MUSIC WEEKEND」に参加したという経緯があります。
その後、代理するミュージシャンの数が多くなってきたことと、源泉徴収の手間とかミュージシャンにやらせるのは申し訳ないというのがあって、PRエージェンシーにしました。今日、ひとりいらっしゃってくれていますけど、自分を含めて6人のチームで活動しています。

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代理しているアーティストは、表に出せない方が多いので、OKをもらっている3組だけHPにアー写を貼らせてもらっています。OLDE WORLDEや神戸のロックバンドでフェスをやっているalcott、東京下北沢で活動しているENTHRALLSというバンドなど、10組くらいを代理しています。

永田:それってHPじゃなくてここでも名前出せないですか?

金野:…………。

一同:(笑)。

金野:……単純にダメっていうよりは、許諾を取っていないので言わないということですね。

永田:わかりました。さすがです。大丈夫です(笑)。

金野:これは事業目的です。

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永田:「『全ての意思決定と実行を自ら行えるミュージシャン』が活躍できる環境をつくる」。すばらしいですね。

金野:ということを目的としてやっています。咋今、Art-Schoolの木下理樹さんやTHE NOVEMBERSといった、自分たちでチームをつくって、下手したら会社もつくって全部やるミュージシャンが出てきたり、Awesome City ClubやShiggy Jr.など、メジャーに行きつつも主体的に活動するアーティストもいます。事務所に入ったからやってくれるでしょ、じゃなくて、事務所やレーベルの人たちと話し合いながら主体的にやっていくスタイルが確立されてきたのが、ここ2、3年くらいだと思っています。
事務所、レーベルに所属している、自分らでやっている、など形態を問わず、そういう意思がある方向けにPRのお手伝いをしています。
GMAの方針として、ミュージシャンに合わないゲタは履かせないというのがあります。そのミュージシャンが持っている考え方、音楽、良さを「拡張」する。あくまでその方の音楽が核にあって、それを「拡張」するという考えでPRをやっています。
具体的に何をしているかというと、だいたいこのあたりになってくるんですけど。

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PRを計画してスケジュールに落とし込むみたいな。

「PR記事」、「コラム」というのは、ライブレポなどを自前でつくって、メディアに交渉してのっけてもらうということをやっています。その際には「PRをしたいから、そのバンドのコラムを書く」ではなくて、たとえば北海道のバンドだったら、「北海道のバンドシーン全体を考察する」というような、一段階上の視点で書いて、より自然な形で興味を持ってもらうように書いているというのが4番になります。

5番の「PicPlayPost」はあまり一般的じゃないと思うので実物を見せます。

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SNSでのプロモーションやPRは、どのアーティストも課題というか、大事だという認識を自分は持っています。たとえばこれとか、1000近くリツイートされましたけど、リンク先で動画を再生するといった面倒くさいことをしなくていい。LINEだったらLINE、TwitterだったらTwitter、Facebook だったらFacebook 上で自動再生される。そういうツールをアーティストから素材をもらってつくっています。

「広告」についてはYouTubeの動画広告、Twitterの3種類の広告、Facebook のふつうの広告、動画広告などがあります。あとはGoogleのAdWords(アドワーズ)。その辺にはひととおり対応しています。僕はちょっとしかできないですけど、デジタルマーケティングの広告の配信のプロがメンバーにいますので、主に彼が運用しています。

「クラウドファンディングのプロジェクトの企画と資金調達の支援」。alcottがけっこういい感じで調達できたんですけど、そのためにはどうすれば良いかみたいなところから相談にのって、成功まで導くことをやっています。さっきENTHRALLSというバンドを代理していますとお伝えしたんですけど、ちょうど昨日くらいに彼らのプロジェクトが始まって、それも成功までいろいろやっていこうかなと思っています。

あとは「その他」で、ミュージックビデオ制作のディレクションや、ブッキングの代理、最近はサポートミュージシャンを紹介することも始めました。ちょっとワーッとしゃべっちゃったんですけど、そういったようなことをやっている会社です。

永田:チームには、どんな6人が集まっているんですか?

金野:えーと、カメラマン兼パブリシスト、自分、広告のプランナー、個人イベンター、ライター、編集とか翻訳をやってくれる大学生……というような6人ですね。

永田:みんな他に仕事を持ちながらGMAのために集まってきた?

金野:そうですね。ひとりは学生ですけど、あとはお仕事は何かしら持っていて、というような形でやっています。